損をしているかも!?過払い金の返還が発生する6つのポイント
2017年12月04日

はじめに
過払い金は、1社あるいは複数の業者に対して、長期間に渡ってローンの支払いを行なっている人すべてに関係がある話です。
10年以上前からローンの支払いを続けているという人にとっては、無視できない大きな存在だといえます。
また、10年以上前にローンを完済した人にとっても他人事ではないかも知れません。
過払い金を請求できるケースには、どのようなものがあるのでしょうか?
請求した場合に負うリスクやデメリットの可能性についても合わせてご紹介します。
過払い金の有無はたった1つのポイントで決まります
過払い請求とは、わかりやすくいうと、上限を超えて支払った利息分を取り戻すための手続きのことです。
貸付の際に発生する利息は、利息制限法によって上限が定められています。
そもそも、金融業者が出資の際に守らなければならない法律には、出資法と利息制限法といった2つがあります。
しかし、出資法では利息制限法よりも利息の上限が高く設定されていた都合上、金融業者は高い利息を取り続けてきました。
法律違反の可能性があるにもかかわらず見過ごされてきたことから、過払い金はグレーゾーン金利とも呼ばれます。
2010年6月に法律が改正されてからは、貸付業者が定められた法律の限度を超えて金利を要求することはできなくなりました。
現在では、過去に払い過ぎた分を取り戻すための方法として、2010年以前に国家が定める利息制限法の上限を超えて支払った分の利息を取り戻すことが認められています。
そのため、債務整理を行なう過程で過払い金を請求することができたり、任意交渉で取り戻したりすることが可能です。
しかしながら、過払い請求を行なった場合、信用情報はどうなるのでしょうか?
また、過払い金を取り戻そうとするとき、注意しておくべきことには何があるのでしょうか?
過払い請求が発生するポイントや、考えられるリスクなどをまとめていきます。
目次
- 利息制限法の上限以上の金利を支払っていた
- すでに完済済みである
- 最終取引から10年が経過していない
- 返済中だが利息制限法の上限以上の金利を支払っていた時期が長い
- クレジットカードのキャッシング枠も対象になり得る
- 今後その会社や系列会社と付き合いをする気が無い
利息制限法の上限以上の金利を支払っていた
過払い請求を行なう大きなポイントが、利息制限法の上限を超えた利息を払っていたかどうかという点です。
利息制限法では、設定する利息の上限が貸し付ける金額に応じて明確に定められています。
金融業者との取引が長期間に及んでいる場合で、利息制限法に基づいて借金と利息の計算をし直したところ、実際に返さなければならない元本+利息をはるかに超えた支払いを行なっていたというケースは珍しくありません。
このような場合は、借金を減額するどころか、払い過ぎた分を取り戻すことができるのです。
利息制限法が定める金利は、元本が10万円未満なら年20%、100万円未満なら年18%というように、それぞれの金額に応じて定められていましたが、実際には30万円の借入に出資法が定める上限年29.2%の利息が設定されていたケースもあります。
本来であれば払わなくてもよかった11.2%が上乗せされていたということになれば、戻ってくる額は決して小さなものではありません。
結果的に、過払い請求によって借金が清算できるというような事態も起こり得るのです。
すでに完済済みである
借金の返済中ではなく、借金をすでに返し終わっているという場合はどうでしょうか?
過剰に払い過ぎた分のお金は、たとえ完済済みであったとしても取り戻すことが可能です。
ただし、過払い金の請求には、消滅時効があります。
最終取引から10年が経過していない
最後に金融業者と取引を行なった日から数えて10年が経過すると、過払い金の返還請求を行なうことが難しくなるという考えが一般的です。
しかし、1つの取引についてローンを完済後、再びローンを契約しているような場合はどうでしょうか?
同じ業者から短いスパンで借入を行ない、取引の途中で完済後、再び取引を開始してローンの支払いを行なっているという場合、過去のすべての取引において過払い金を請求できる可能性があります。
なぜこのような可能性が考えられるのかというと、1つの取引で過払い金が発生した場合、原則として次の取引の借入金に充当できるという金融業者との合意が成立するためです。
つまり、10年が過ぎているからといって、最初から請求をあきらめてしまうと損をする可能性があります。
返済中だが利息制限法の上限以上の金利を支払っていた時期が長い
現時点でローンを返済中ではあるものの、利息制限法が定めている上限以上の金利を支払っていた時期が長いのであれば、十分に過払い請求の対象となります。
たとえば、任意整理によって利息を再計算したところ、過払い金が発生し、借金が減額になる場合などが該当します。
債務整理を行ない自己破産したとしても、過払い金の請求を手続きすれば回収できるのです。
クレジットカードのキャッシング枠も対象になり得る
クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠があります。
キャッシング枠を利用して借金をしていた場合は、過払い金の発生している可能性がゼロではありません。
すべてのクレジットカード会社に限った話ではありませんが、クレジットカード会社の中には利息上限法の限度を超えて利息を取っていた例があります。
このような場合、相手が貸付業者でなくても過払い金の返還対象となります。
手元に過去のカード利用明細がすべて残っているとは限りませんが、住所氏名と生年月日などの個人情報でカード会社に問い合わせを行なえば、取引履歴を開示してもらうことが可能です。
2010年以前にクレジットカードでのキャッシングを行なっていた人は過払い金が帰ってくる可能性がありますが、過払い請求を行なったカード会社のカードを引き続き使用することは難しいと考えた方がいいでしょう。
引き続き同じカードを利用したいと考えているのであれば、慎重に行動することをおすすめします。
今後その会社や系列会社と付き合いをする気が無い
過払い請求を行なった際、信用情報には記録が残るのでしょうか?
債務整理を行なった際、信用情報には事故記録が一定期間登録されます。
利息制限法に基づいて借金の額を計算し直した結果、債務が残っていなければ信用情報に記録が残ることはありません。
しかし、貸付業者およびカード会社の社内のデーターベース上には過払い請求が行なわれた記録が好ましくない情報として記録されることがあります。
そのため、過払い請求を行なった貸付業者やカード会社と再び取引を行なうことが難しくなる可能性を考慮してみましょう。
ただし、国民は法律によって定められている権利を行使することができます。
過払い請求は、法律によって立派に認められている行為であり、権利を行使したからといって不利益を被るようなものではありません。
しかしながら、再び同じ貸付業者やカード会社を利用しようとするとき、以前よりも審査が通りにくくなるという事例はゼロではないといえます。
あくまでも社内の情報として記録されるだけであり、信用情報機関に登録されるわけではないということが大きなポイントです。
また、過払い請求を行なっていない他社のローンを組むときには、まったく関係が無いと考えていいでしょう。
しかし、過払い請求を行なった貸付業者やカード会社が保証会社として絡む可能性があるので、注意が必要です。
過払い請求、自分でするか?任せてみるか?
過払い請求は、弁護士や司法書士以外でも請求者本人や、請求者が故人の場合は相続人が行なうことが可能です。
しかし自分で過払い請求をするには、必要な書類を集め、貸付業者とのやり取りなど煩雑な作業をすべて自分で行なわなければなりません。
また、貸付業者とのやり取りの過程で、家族に借金の事実がバレてしまう恐れがあります。
最大のデメリットといえるものが、不当に低い和解金を提示され、不服を申し立てても強気の姿勢で押し通されてしまう可能性がある点です。
まとめ
弁護士に過払い金の請求を依頼した場合であっても、到底納得できないような低い和解金を貸付業者が提示してくる可能性はあります。
社内ブラックになった上に和解金も低くなってしまったら、踏んだり蹴ったりになってしまいます。
本来払うはずではなかった大切なお金を取り戻したいと考えるのであれば、弁護士に訴訟も辞さない覚悟であることを伝えるべきです。
親身になって手伝ってくれる弁護士を味方につけることが、過払い請求を望むかたちで成功させる近道である場合もあります。
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